【支援例】ここから、たくさんの「一歩」が生まれています!

【支援例】ここから、たくさんの「一歩」が生まれています!

おかげさまで、自立支援スペース ワンステップは10年目を迎えました。その間多くの方々が当方を利用し、そしてそれぞれの「一歩」を見つけて、次のステージに進んでいます。
 今回はそのような方々の、それぞれの「一歩」について、紹介していきたいと思います。
◆20代女性のケース◆
 本人から電話で、「一人で何もできない、生きていけない、助けてほしい」との涙声での申し出があり、継続的に電話で連絡を取り合ったり、実際に会って話を聞きながら、時間をかけ徐々に混乱した本人の頭の中を整理させていき、今できることを話し合っていった。両親とも面談を行い理解や協力を得ながら、まずは中断していた通院を再開させた(受診同行)。その後、就労支援事業所に行く事を本人が希望したことから、事業所の見学、体験のサポート、相談支援事業所との連携、障害者手帳・自立支援医療の取得のサポートを進め、就労支援事業所の利用が始まった。その後も、本人、両親との相談や他機関との連携、グループホームの利用、障害者年金の申請等サポートをしながら、少しずつ、本人ができることを増やし、受けられるサービスの中で安定した生活が送れるように支援を続けている。

◆20代男性のケース
 「働けない自分なんか生きている意味がない、死にたい」という息子からの訴えを受けた両親からの相談。本人は自閉症スペクトラムとアルコール依存があり、心身ともに不安定な状態であった。本人とも話はできたが、主に両親との相談を続けた。自閉症スペクトラムとアルコール依存について、理解を深めながら、それらを否定、非難するのではなく、受け入れながら、少しずつ快方へ進めていくための対応について話し合っていった。医療にもつなげ、徐々にアルコールの依存も減らしていき、ストレスを減らす環境整備(障害者手帳、年金手続き、居住環境等)を進めていった結果、本人は自分の障害を受け入れ、自分の得意な趣味のコミュニティーの中で心身ともに安定した生活を送れるようになった。今は両親と定期的に現状を話し合いながら、見守っている。

◆30代男性のケース
 「息子が精神疾患があり、家にいる状態だが、なかなか良くならずに何年もたってしまっている。どうしたらいいか?」とのご両親からの相談があり、本人とも相談を重ねながら、改善に向けた話し合いを進めた。
 家族、本人の双方の話を聞き進めるうちに、家族間の関係が大きなストレス要因になっていることがわかり、ご両親に本人の病気の理解や、対応方法についてともに考え、それを実行していったところ、家族間の関係が改善され、それと共に本人の状態も良くなっていった。
 医師とも情報共有しながら、今後について、本人、家族と話し合いを進めた結果、ご両親が営む会社の手伝いを徐々に増やしていくことに決まった。その進め方に関しては、ご両親とも話し合い、本人に無理が無いように進めている。

◆20代女性のケース
 大学生時に学業やクラブ活動、アルバイトなど多忙の生活の中燃えつき症候群のような状態になり、学校に行けなくなってしまった。それからしばらくたって、大学も通信制の学校に変え、少しづつ将来のことについて考えられるようになったところで当方に相談した。大学の卒業の手続きを進めながら、大学に行けなくなった自分を少しづつ肯定しながら、対処法を話し合い、将来の進みたい方向について話し合っていった。本人の「人を支える仕事をしたい」との願いから、ハローワークとも連携し、介護の研修制度を利用、学校に通いながら就職の準備を進めた。その間も、履歴書や、面接の練習、ストレスの対処について話し合い、無理のないように進め、研修後無事に就職した。そして現在も連絡を取り合いながら、職場定着のための支援を行っている。

◆20代男性のケース◆
 以前就労移行支援事業所に通っていたが、精神疾患が悪化し事業所に通えなくなり、しばらく療養している状態であったが、「少し動けるようになってきたので何か始めたい」と思うようになったことから、相談支援員さんとも連携を取り、こんにゃくの掘り取り体験を一緒にしてみないかと誘ったところ、「やってみたい」とのことから、体験を行った。本人は、「もともと体を動かすことが好きだったので参加できてとてもよかった。行く前は少し体調が悪かったが、参加した後は頭がすっきりした感じになり、ちょうどよい疲労感もありよく休めた。畑の中で一つのことに集中できたことも良かったと思う。作業も農家さんからわかりやすく教えてもらえてやりやすかった。また機会があればやりたい。」との感想を話し、体験は数回行われた。その後、「また就労移行支援事業所に通いたい」とのことから、事業所を見学等したのち、就労移行支援事業所に通いはじめた。(その後は無事、就職したとのことです。)

◆20代男性のケース◆
 小学校時から不登校になり、引きこもり状態になっていた彼は、7年前に当方に相談、メールなどで連絡を取り合っていた。その後彼は免許を取得し、就職、契約社員となった。就職後も仕事の悩みや、敬語などのビジネスマナーについて教えてほしいとの要望があったため、個人的に講座などを行っていた。就職から数年後、本人から「正社員の登用試験を受けたいので、面接や履歴書の書き方などを学びたい」との要望があったので、一緒に履歴書の内容を考え、面接の想定練習などを行った。また、現在もプライベートを充実させたいとの願いから、レクリエーションや、農業体験などにも参加していただいている。

◆30代男性のケース◆
 「現在精神疾患で療養中で、これから社会に出ていきたいが、以前働いたときは周りについていけずに辛い思いをした。どうしたらよいか?」との相談があり、本人と家族、医師とも話し合い、まずは障害者手帳を取得し、就労支援施設に通いながら就職を目指していくことに決まった。それからは一緒に資料を調べたり、施設の見学・体験のサポートを行いながら、本人の要望に合った施設を選んだ結果、ある就労移行支援事業所に決まった。その後事業所、相談支援事業所に引き継いでからも、定期的に相談を行いながら、継続のためのフォローや連携を続けている。

◆20代男性のケース◆
 「息子が中学から不登校になり、今年20歳になるが、ずっと家にいる状態なので、どうしたらよいか?」との父親からの相談があり、その後、両親、祖母とも話し合いを進め、本人とも話をするようになる。当初彼は無気力で語彙が少ない様子であったが、当方で脳トレやパソコンのタイピング、ワード、エクセルの入力練習、本人が興味を見せた漢字練習や卓球などのレクリエーションなどを進める中で、少しずつ語彙も増え、活気を見せるようになった。その中で、車の運転に興味を見せたので、免許の取得を勧めたところ、「やってみたい」とのことで、教習所の見学や手続きの補助を経て、免許を取得。その後は、本人に「働いてみたい」との思いが出てきたことから、一緒にハローワークに行き、就職活動に入った。その間、ビジネスマナーや履歴書の書き方、面接の練習などを行い、無事、就職することとなった。その後も、定期的に仕事での悩みや金銭管理などの課題について相談を継続させた。