今悩みを抱えているあなたへ

一人で抱え込まないでください

 例えば学校や職場、家族の中など、限られた中で毎日を過ごしていると、その中が世界のすべてだと感じてきてしまいます。
 だからその中の世界が苦しいと、その苦しみから逃れられないのではと感じてしまうかもしれません。
 だけど安心してください。
 あなたのいる世界はとても小さなもので、そこから出れば、とても大きな世界がひろがっており、必ず誰かの手が差し伸べられています。
 そのとても大きな世界の中には、きっとあなたが自分らしく、生き生きとしていられるような、そんな場所があるはずです。
 私どもは真摯にあなたの声を聞きます。
 お電話、メール、どのような形でもいいのでご連絡ください。

※現在、新型コロナウイルス対策としてオンライン相談も行っております。

「ひきこもり」と呼ばれるあなたとそのご家族へ

 私は、「ひきこもり」という言葉が好きではありません。それは、10年近くこの問題と向き合ってきた中で、その言葉が実態に即していない、違和感のようなものを常々感じてきたからです。

「ひきこもり」とはそのまま「ひきこもる人」を意味しますが、私も含め多くの方が「ひきこもる」という言葉に主体的な、つまり当事者が自分の意志で、社会とつながらない判断をしているといった印象を受けていると思います。

 しかし、今まで多くの当事者やそのご家族と会う機会がありましたが、かねてから望んで今の状況になっている方はいませんでした。誰もが社会とつながることを望みながら、学校や就職活動、職場の中で失敗や挫折、生きづらさを経験し、再びつながる機会、心身、自信を失ってしまい自宅にやむなく避難しているような状態なのです。

それは、「ひきこもり」ではなく、むしろ「社会的難民」と表現したほうが適していると感じます。

 言葉の持つ主体的な意味合いと、実態との違い。それがこの問題を解決困難にしている一因でもあります。当事者とそのご家族は、世間から遊んでいる、怠けている、自己責任だとの偏見を受け、自らは自責の念から我慢をし、助けを求めることを拒んでしまうという現状を生んでいるのです。

 しかし、私は社会とつながることができていない、あなたとそのご家族へ伝えたい。

「あなたたちは何も悪くない。」

 それがいままでこの問題に向き合ってきた私の結論です。長い人生で失敗や挫折を経験することは当然ありますし、それは自分を成長させる糧になる、大切なものです。もし失敗や挫折をしたことで社会とつながる機会が失われてしまったとしたら、それは社会に問題があるのです。

 あなたたちだけがこの問題を背負い続ける必要はありません。今はこの問題に対して相談、支援してくれる人たちがいます。以前支援を求めたがその時は良いものが無かったという方もいるかもしれませんが、今は支援の数も方法も増えており、また、社会のこの問題への理解も少しずつ変わってきている中で、あなたたちにとってきっと良い支援が見つかるはずです。「もう今さら」とは言わず、まずは相談から始めてみてください。

 あなたとそのご家族にとって、少しでも良い方向に向かえるよう、共に考えていきましょう。